愛と自由と段ボール箱

cryptoboxの微妙にうまくいかない日々

母親が突然、記憶喪失になる

こんにちは、cryptobox(くりぷとぼっくす)です。

今日は自分が体験した不思議な話について書こうと思います。タイトルにも書きましたが、母親が突然記憶喪失になったのです。

 結論から言うと、恐らく一過性健忘症という一時的に短期記憶を保持できなくなる病気だったのかなと。確信が持てないのは後述する病院の先生が具体的な病名をおっしゃらなかったからです。

悪いんだけど、夕飯買ってきて

古い友人に会いに行くと言って出かけた母が帰宅したのが16時ごろ。僕と目が合った母が財布を渡してきて、開口一番に言った言葉がコレでした。

 

この手のお願いは月に1回はされるし、別にこの後の予定もなかったため「いいよ」と承諾して出かける準備をしました。すると母親が言うのです。

 

「悪いんだけど、夕飯買ってきて。あれ?財布がない。アンタどこにあるか知ってる?」

 

あれ?と思いました。何言ってんだと笑。普段から冗談をあまり言う人ではないので、なんか様子が変だなと感じました。

 

「俺が持ってるよ、さっき財布渡してくれたじゃん」

 

「えっ、記憶にない。ねえなんかおかしいの。どうやって帰って来たかわからない」

 

この言葉にさすがにちょっと動揺しました。まさかアルツハイマー?ただ母親はまだそこまで年をとってないし・・・。じゃあ若年性?などと考えていると

 

「ごめん、とりあえず夕飯買ってきて。あれ?財布がない。アンタどこにあるか知ってる?」

 

と先ほどと全く同じ文言で言うのです。これはマジでやべえと思いながら父親に電話を掛けたのですが、どうやら仕事中らしく出てくれません。とりあえず「緊急で連絡ください」とメールを打ち、母親を祖母に見てもらって自分は夕飯を買いに行きました。

 

どうしよう。アルツハイマーになっちゃったのかも

適当に菓子パンを買って家に戻ってきましたが、母は依然おかしいままでした。自分で何かが変だと自覚しているらしくカレンダーを取り出して、今日は何日か尋ねてきました。

 

「今日は〇月×日だよ」と教えると「てことは今日は〇〇さんに会いに行ったんだ・・・」とカレンダーの予定欄の『〇〇さんに会う』という文字を指さして言っていました。そして実際にその人に会ったのかと尋ねると「覚えてない」と言うのです。

 

「明日はパートに行くんだよね・・・」

 

と確認するように呟く母。そして

 

「ちょっと待って。そもそも今日って何日?」

 

と先ほど伝えたことはすでに忘れていて、また今日の日付けを尋ねて来るのです。このようなことが何回も繰り返されました。何度も何度も今日の日付けは何月何日かと質問してきます。まるで母親だけの時間が進まないようでした。

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「さっき教えたよ、今日は〇月×日」というと、母は顔を真っ白にして

 

覚えてない、どうしよう。アルツハイマーになっちゃったのかも

 

と頭を抱えるのです。

筆者、パニクる

情けないですが僕はパニクってしまいました。祖母も娘の様子に動揺を隠せない様子。救急車を呼ぶべきか?父親と連絡がつくのを待つ?3日後に卒論発表があるけど出れるのか?なんていろんな問題を一気に片付けなくてはならないというような強迫観念的なものが襲ってきました。

 

けど、とりあえず誰か連絡のつく頼れる人に相談しよう。そうだ、研究室の教授だ!

ってな感じで自分の所属する研究室の先生にメールで相談しました。

 

うちの先生はメールの返信が鬼のように速く、僕が送ってから5分ほどで返事がきました。先生は本当に素晴らしい人で、内容は

 

  • まずあなた(筆者)が落ち着くこと
  • 病院の予約を入れること
  • 卒論発表は延期もできること
  • 教授の緊急連絡先

 

といった具合でした。このメールを見て、近くに頼れる人がいるという安心感からすこし落ち着くことができました。そして、近くの病院(脳神経外科)に予約を入れます。この時、父親からも連絡が入り「とりあえず今から帰る」とメールが来ました。

 

アルツハイマーなのか?

少し落ち着いてきた僕は母親の同じ質問にも冷静に答えられるようになってきました。考えてみれば一番不安なのは母親自身でしょう。自分の記憶が突然無くなって、冷静でいられる人なんていないはずです。

 

これ以上不安がらせないためにこちらから「何か変だよ」とか言うのは止め、ただただ母親の質問に同じように答えるのに徹しました。そうしながらインターネットで『突然 記憶喪失』で検索。出てきたキーワードは『一過性健忘症』。

 

サイトに飛ぶと主に次のようなことが書いてありました。

 

  • 一過性全健忘とは、突然、数時間前からの記憶がなくなってしまう病気
  • 自分の名前や住所などは覚えているが、どうして自分はここにいるのか、などの状況が分からない
  • 何度も同じ質問をしたりしする
  • 症状は通常、24時間以内に消失する
「突然、記憶が消えてしまう!!」~一過性全健忘とは?~ – 脳神経外科専門医による「脳」の話

 

 

 これは母親の症状に近い、というかまるっきし同じじゃん!さらに、症状は通常、24時間以内に消失するという文言を見て安心します。ただ、インターネットの情報なので盲信はできません。他のサイトも参照してみると『一過性健忘症体験談』なるブログがいくつか出てきました。

 

一過性全健忘(のりのびっくり体験)::くま達のブログ

ameblo.jp

blog.goo.ne.jp

 

中には一過性健忘症を体験した研究者の方もいて、自分を実験台(?)にして一過性健忘症に関する論文の結果を再現して喜んでいる人もいました。正直

 

「おめぇセェコパスか?(悟空)」

 

なんて思ったりしましたね。記憶なくなってんのに何してんだこの人って笑。

 

その人のブログはこちら↓

ibaibabaibai-h.hatenablog.com

 

また若年性アルツハイマーについても調べました。

こちら(https://info.ninchisho.net/mci/k110)の記事によると若年性アルツハイマーの初期症状として

 

1.家庭や会社で何でもないことの失敗が目立つ、今まででは考えられない失敗をする
2.会話が少なくなる、人目を避ける、閉じこもる
3.元気がなくなる、不安な表情がめだつ
4.すぐわかるようなごまかしやウソをつく
5.話の辻褄が合わない。相手に話を合わせようとする
6.以前のその人らしからぬ軽率な行動が目立つ
7.以前からの趣味や関心ごとに興味がなくなる
8.日常で、物忘れが目立つようになる

 

といった特徴が挙げられていました。これらは全て母親には当てはまりませんでした

 

結論として『一過性健忘症の可能性が高い為、救急車は呼ばず様子を見る。ただし素人による判断は危険なので、明日病院で診てもらうことが最善』ということになりました。

 

母親を連れ、病院に行く

幸い近くに脳神経外科があり予約も取れたので翌日、母親を病院に連れて行きました。その時には既に母親の症状も落ち着いていて、何度も同じ質問を繰り返したりはしませんでした。

 

ただやっぱりまだ不安な様子だったことを覚えています。

 

病院に行くと先生はCTスキャンを取ってくれました。

 

結果は異状なし。先生によると

 

「記憶にはねぇ、そんなこともあるんですよ」

 

と軽い様子で特に病名を言うこともなく、ちょっぴり拍子抜けしてしまいました。結局一過性健忘症だったのかはわからず仕舞いでしたが、母親は安心した様子でした。

 

後で母親から聞いた話によると、記憶を無くした日のこと(友人と会ったこと)だけは結局どうしても思い出せず『狐につままれたような気分』と言っていました。

 

症状が出ているときの記憶を失ってしまうのも一過性健忘症の特徴と一致していました。

まとめ

以上が僕が体験した不思議な話でした。身近な人が突然記憶を失ってしまったら

  1. まず落ち着くこと
  2. 病院の予約を入れること
  3. 相談できる人に相談すること

が大切だと思います。僕のようにパニクらず(難しいですが)まずは落ち着いてみてください。一番不安を感じているのは当事者のはずですから。