愛と自由と段ボール箱

cryptoboxの微妙にうまくいかない日々

【綾辻行人】Another:感想

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おもろかった。

 

文章は平易で少し頭のいい中学生が記述していると錯覚するように、うまく一人称として表現されている。いわゆるページをめくる手が止まらない作品。

 

ライトノベル調であり、キャラクターもアニメによく出てくるような想像しやすいキャラが多かった。また、綾辻行人作品に共通するどんでん返しもあり、大変満足。至高のエンターテイメント。

 

そこまで複雑な物語でなく、むしろわかりやすい部類に入ると思うが、エンターテイメントとしてはこのうえなく素晴らしいものだともう。

 

ジャンルはホラーらしいが、恐怖心を駆り立てられる描写はあまりなく、グロテスクな描写が少しあるくらい。どちらかというと謎解きの側面が強く、最終的には誰が死者なのかが物語のラストクエッションになる。小さな謎も所々に散りばめられていた。例えば、あの言動は違和感があるが、そのキャラは詳しく話そうとしない、なぜだろう?どんな理由だろうと読者を引き込む。こういった、各所の小さな謎がページをめくる手が止まらない、あの感覚を実現しているんだと思う。